
研究テーマ
水域生態学研究室では「湖沼」「海洋」「雪氷」「河川」「都市」「人工水系」を対象に研究を展開しています。
(都市科学部の学びのフィールドイメージの赤丸で囲った箇所です)
・微生物の多様性・生物間相互作用・食物網の解明
・物質循環における微生物の機能
・富栄養化や温暖化にともなう生態系の変遷解明
・水域生態系・生物多様性の保全

研究プロジェクト
陸海連環に基づく炭素および生物多様性の包括的評価手法の開発
気候変動対策の課題である大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を低下させ、持続可能な発展を実現するためには、陸域と海洋を包括的に捉え、炭素循環プロセスを理解することが重要です。横浜国立大学臨海環境センターのある相模湾に注ぐ酒匂川・相模川流域では陸海連環の森林管理(魚付き林など)や生物多様性モニタリングが行われており、かつ河口域は水深1,000m超の相模トラフに接続していることからグリーンカーボンを深海に沈めかつブルーカーボンを促進するモデル流域として適しています。
本プロジェクトでは、陸域からもたらされる炭素・栄養塩類の沿岸生態系での役割と、それに及ぼす森林と河川の生物多様性や炭素プロセスとの関係を明らかにするための研究に取り組んでいます。森から海までの生態系観測データを流域単位で統合することにより、炭素および生物多様性を評価する手法を開発し、炭素貯留と流域の土地利用や生物多様性との関係を解析し、ブルーおよびグリーンカーボンの将来予測を行うことが目的です。これにより、海洋の炭素隔離機能を最適化させる陸海連環や生態系管理のあり方を提案することを目指します。
主な研究資金
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2024ー2030年度 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST):海洋カーボン「陸海連環に基づく炭素及び生物多様性の包括的評価手法の開発」270,000千円(代表者)
卒論・修論テーマ例
「マリンスノーの形成と崩壊に関与する菌類の解明」
「相模湾における植物プランクトン成長の制限要因の解明」
「海色衛星を用いた相模湾における陸域影響解析の可能性」
「相模湾におけるバクテリアの季節変動」

氷河・積雪生態系における雪氷藻類へのツボカビ感染症の動態解明
極地や高山に分布する氷河・積雪生態系には,低温でも繁殖可能な特殊な藻類である雪氷藻類が生息しています。雪氷藻類が増えると雪氷面が暗色化し雪氷の融解を加速する効果があるため,その動態は世界的な注目を集めています。この雪氷藻類にツボカビという菌類が寄生すると大量死を引き起こしうることを当研究室は発見しました。ツボカビ感染症は湖沼や海洋では藻類の消長を左右し生態系に大きな影響を与えますが,氷河・積雪生態系での雪氷藻類への影響力は未解明です。さらに地球温暖化に伴い雪氷藻類へのツボカビ感染は蔓延拡大する可能性があります。本研究では世界で初めてツボカビと雪氷藻類の宿主寄生者関係を把握し,雪氷藻類への影響を定量的に評価します。また感染症動態を解明し,温暖化による蔓延拡大の可能性を具体的に検証することで,氷河・積雪生態系の保全及び将来予測につなげます。
主な研究資金
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2022年度-2025年度 文部科学省 科学研究費補助金 基盤研究B「氷河・積雪生態系における雪氷藻類へのツボカビ感染症の動態解明」
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2026年度-2028年度 文部科学省 科学研究費補助金 基盤研究B「氷河と積雪におけるツボカビ感染症動態の違いと生態系影響の解明」
卒論・修論テーマ例
「氷河・積雪生態系における雪氷藻類寄生性ツボカビの多様性解明」
「高山樹林帯に発生する彩雪現象:雪の色は何の違い?」
「雪氷藻類はどこから来るのか?コケとの関係を探る」
「クマムシ・ワムシ等の微小動物と雪氷藻類の捕食-被食関係」

最先端の解析・観察法を組み合わせアプローチ
野外調査(船上調査、沿岸調査、長期観測、湖沼間比較など)
顕微鏡観察(蛍光顕微鏡、電子顕微鏡など)
培養実験(メソコスム、ケモスタット、野外操作実験、同位体標識など)
化学分析(元素分析、栄養塩分析、安定同位体比、脂肪酸分析など)
DNA解析(定量PCR, 次世代シークエンシング、ゲノム解析など)
数理モデル、統計解析、GIS

調査地
琵琶湖、印旛沼、諏訪湖、全国ダム湖、東京湾、相模湾,月山,八甲田,横浜市など随時拡大中


過去のプロジェクト
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